龍麻は、よく眠れているだろうか。
耳を澄ませる。
その呼吸が穏やかに、静かに、そのように続けば続くほど、自分の手足のその先が、ふくふくと温まる。
薄く開けたカーテンの隙間から、青白く射して、枕から外れた頭と、散らばった髪とがほんのりと光る。
壬生の顎の下に、喉に、その細い髪が触れている。
そよぐように髪が揺れては、壬生の肌をかすかに撫でる。
眠る龍麻は、いつも静かで、穏やかに横たわっていて、そうして静かすぎるほどだ。
壬生は、ふと、温まっている指先がきゅんとひきつれたような心地になる。
そろそろと背を丸め、ほんの少しだけ、龍麻の髪に頬を寄せ、目を凝らす。
そよぐ髪を見つめ、間に覗く薄い耳たぶを見つめて、その白さにまた一段階、指先が冷える。
血の色が通っているとは思えないほど、龍麻の耳朶は薄く、ほの白い。
ふ、と小さく頭が揺れて、髪がその耳朶を撫でていく。
寝返りを打った体を目が追って、壬生は、ほっと息をついた。
冷えた指を動かして、そっと毛布を引いて、また、静かな寝息に耳をすませる。
龍麻はよく眠っている。
壬生は、眠る龍麻の上をなぞるような、ほのかな月明かりを見つめて過ごす。
夜が明けているのに気づくまで、あとどれくらいだろうか。
夜ごと静かに寝息を聞き、毛布の中の温もりをわけあい、夜明けを迎える。
壬生は思う。
龍麻が、どうか、穏やかに眠っていますように、と。
※「君の事を考えてたらいつの間にか夜が明けていた」