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あらゆる鳥のしらべ

埋めつくす本たち
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やってしまった ・剣風帖


泣いた顔なんて、見たことがない。
そう思っていたけれど、今、目の前でくしゃくしゃになった顔は、どこか見覚えがあった。


明日、どこで待ち合わせようか、と言われた。
定期試験が終わって、最初の週末だ。
どこでもいいよ、と返して、ふと付け足した。

「そんな、気を使わなくても、ちゃんと参加するよ」

戦いはもちろん、旧校舎でのあれこれも行くつもりだ。
そう言うと、ほっとするだろうと思っていた顔が、ひどく白茶けてみえた。
気分でも悪いのか、どうしたんだろうと思う前に、龍麻は小さな声で言った。

「でも、いつも旧校舎とかじゃ、あんまり」

少し言いにくそうに、考え考えして言葉を押し出している。
真面目なその姿に笑みを浮かべかけた。
次にこう言われるまでは。

「その、せっかく紅葉とのデートには、やっぱりあんまりだし」


「……デート?」

そう言うしかなかった。

ずいぶん長い時間が経った。
ああ、そうか、僕ら、つきあってるんだった。
そう思った時、龍麻の頬をぽろぽろと滴が転がり落ちた。



※これ、壬生の何事かを真に受けた龍麻が、ああ、それじゃあつきあうよ(恋人として)、俺!ってなって、でも壬生はそう受け取られてるとはちっとも気づかず、でも普通に映画行ったりおいしい物食べたりしていたわけです、はい。
おごるのは主に龍麻。
感謝しつつ、4回に1回はおごる壬生。
……あの短いタイムテーブルのどこでそんなにデートしてたのか、疑問に思ってはいけない。

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