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あらゆる鳥のしらべ

埋めつくす本たち
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間違い ・TOS

※「空の鳥をみるがよい」カテゴリをチェックしていたら、掌編発見したので転載。
 (ありえない結末)




 「ロイドくん」

 こんな声を出せるやつだったんだ。


 「ロイドくん、おなか空いたでしょ?」

 減ってないよ。

 「何か食べた方がイイよ、ロイドくんは」

 ほら、でかくてたくましい男になるんでしょ。

 そう言って、笑う。

 俺が言うたびに、イヤそうな顔してたくせに。

 「……食べてさ、そんで、俺さまと」

 泣くのか?

 そう思った。

 泣かせたと思った。

 けれど、その目は、乾いてる。

 俺の手首に指をまわし、ゼロスは、乾ききった瞳を俺の顔から逸らそうとしない。

 「ロイドくん」

 お前がそう望むなら。

 何だってしてやりたいって思うんだ。

 でも、でもゼロス。

 食べることも、眠ることも、俺にはもう必要ないんだよ。

 ゼロスの指が、俺の手首にまわってる。

 ゼロスの手のひらが、俺の背中をさする。

 そこにはもう、ゼロスの体温に触れて跳ね上がる脈動はないのだけれど。

 俺の背中から、こぼれ落ちた羽根が一枚、ゼロスの手の甲を撫でるように舞った。

 俺の体から離れる物の方が、俺の体よりも素直に、ゼロスを慕っているように。

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