「ロイドくん、おなか空いたでしょ?」
減ってないよ。
「何か食べた方がイイよ、ロイドくんは」
ほら、でかくてたくましい男になるんでしょ。
そう言って、笑う。
俺が言うたびに、イヤそうな顔してたくせに。
「……食べてさ、そんで、俺さまと」
泣くのか?
そう思った。
泣かせたと思った。
けれど、その目は、乾いてる。
俺の手首に指をまわし、ゼロスは、乾ききった瞳を俺の顔から逸らそうとしない。
「ロイドくん」
お前がそう望むなら。
何だってしてやりたいって思うんだ。
でも、でもゼロス。
食べることも、眠ることも、俺にはもう必要ないんだよ。
ゼロスの指が、俺の手首にまわってる。
ゼロスの手のひらが、俺の背中をさする。
そこにはもう、ゼロスの体温に触れて跳ね上がる脈動はないのだけれど。
俺の背中から、こぼれ落ちた羽根が一枚、ゼロスの手の甲を撫でるように舞った。
俺の体から離れる物の方が、俺の体よりも素直に、ゼロスを慕っているように。