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あらゆる鳥のしらべ

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最初か最後か ・剣風帖


「俺は最初だ」
「わいもわいも。絶対最初やな」
「うーん、ボクも最初かなあ」
「えー、マリーは…マリーはどっちかなあ」
「うふふ、最後でも大丈夫よ」




フォークで、真っ白なクリームをすくった龍麻は、それまでと同じリズムで慌てず口に運んだ。
てっぺんの苺が、たよりなくころりと転がって、皿に落ちる。
こちらは指でつまんで、ぱくり。
「龍麻は…こだわらないってか」
「何を?」
聞いてなかったのかよ、と蓬莱寺が新しいシュークリームを取りながらぶうぶう言った。
「ケーキの苺は最初に食べるか、最後に食べるかだよ、龍麻くん!」
小蒔が、負けじとキャラメルプリンを取った。1人2つずつだからね!という声が弾んでいる。
「……気にしたこと無かった」
「それ、一人っ子だからだろ。俺なんか、うっかりしてると姉貴に食われるからな」
「あんたんとこもか。なんで姉ちゃんら、弟のモン取り上げるかなあ」
「ボクはそんなことしないけど」
「「ウチはするんだよ(やで)!」」

ふうん、と1個目のケーキをのんびり食べる龍麻の横で、こちらは二つ目に手をつけていた壬生が、フォークを置いた。
「あれ、紅葉、もう終わったの?」
「ごちそうさま」
そっけなく言った壬生に、如月が人の悪い笑みを浮かべた。
「壬生は、どっちだ?」
「苺を食べる順番ですか?」
「そうだな。大事なものは後で楽しむか、先に楽しむか」
卓にまっすく向かい、ピンと背を伸ばした壬生は、少し目を細めて考えるそぶりをした。
そうして、伸ばした手で、苺の消えたケーキに、まだ可愛らしく残っていたチョコの葉っぱをつまんだ。
あ、と空いた片割れの口に、そのチョコをポイと放り込む。

「あえて言うなら、食べさせる方ですね」



自分の分はしっかり食べてる男。もちろん黄龍はだませない。

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