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あらゆる鳥のしらべ

埋めつくす本たち
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四月の魚 2・TOS

※再掲(期間限定でupしていたもの) 古代英雄




燃え盛る炎に天がゆらめき、かぎろう大気が青空を煤けさせていくようだ。



時折聞こえてくるのは、屋根の重みに耐えかねた主柱が崩れるのか、それとも瓦が滑り落ちて砕けるのか。

どちらにせよ、顛末は揺るがない。

この街は消える。

蘇るとしたら、きっと、長い長い時間が必要だろう。

煤まじりの熱風が、ばさりと髪を叩いて、とりとめない物思いから覚めた。

これだけの炎ならば、もうじき雨が降る。

煙の中まばたいて、空を見上げた。

腕を広げるように、両の翼を伸ばし、上へと身を投じる。

上へ。

上へ上へ上へ。

煙の向こう側は、すでに夕焼けだった。

地平線は、記憶にあるものとは大きく異なって、その違いに今なお驚きが勝る。

遙かな山脈を染めて、太陽は傾こうとしている。

じきに月が昇る。

たった一つの月が、地平の向こうからゆっくりとやってくる。

けれど、今はまだ、昔なじみの太陽だけが空にある。

白い山肌が、赤く赤く輝く。

遠く、ずっと遠くで炎のように輝く世界を見晴るかして、翼を羽ばたかせた。

足下で燃え盛っていた炎は、まだ消えない。

吹き上がる熱風が、じりじりとつま先や躯をあぶる。

この炎は、熱は、何を生み出すのだろう?

少年は、赤い衣の内側にはらんだ熱をもてあましている。

一条の涙は、目の縁ですぐに乾いてしまった。

この新しい世界に、どれだけの時間が残されているのだろうか?

それを知る者はいない、ただ一人、精霊の王の契約者を除いては。

彼はまず、世界はひたすらに重く、熱いのだと知った。

それは、数知れぬ人の思いが凝ったからだけれど。




卵は世界だ。
生まれようとする者は、ひとつの世界を破壊せねばならぬ。



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