少し動かした腕の先で、握りあった手が温かい。
青い部屋の中、温めあった指先を動かして、節の高い細い指を、甲を走る鋭い腱のうねを撫でた。
そっと、呼ぶ。
いつもの、家族のような呼び方で。
次に、自分の言葉で彼の名を呼んでみた。
それから、もう一度、今度は彼の国の音で、呼んだ。
小さな声は、布団の端を温めるだけで終わった。
隣は、静かに、寝息すらひそやかに、眠っている。
眠っているからこそ、こうして呼べる。
もう一度。
「たつま」
その耳へ、ささやきかけずに、弦月は目を閉じた。
青い部屋は、音もなく、動きもない。
「……わいの言うこと、聞いてぇな、たつま」
そう呟いて、それからほろりとこぼした。
「ばぁか」
布団は、それも、吸い取った。
============================================================================
「想い人に」「部屋で」「むすっとしながら」、「バカ」と言う劉