忍者ブログ

あらゆる鳥のしらべ

埋めつくす本たち
MENU

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

手の届く距離 ・TOS


目の前にいる人を、助けたい。

金色の少女。
秘密を抱え生きてきた親友。
家を焼かれ、畑を無くした隣人。
同じ世界、ひっそりと暮らす人々。
顔を知らなくても、村の名を言えば、ああ、と心づく、そんな大きさの世界。


何もかもが違う世界に来た。
たくさんの、見たこともない乗り物、高い建物がある。
人々は、今まで想像したこともないくらい、たくさんいる。
ここで町の名を言えば、地図を見て、それから、するりとそのことを忘れてしまう。
誰もが忙しそうで、誰もが欠片のように小さくなった世界。

神子が、世界を救うことも、知らないんじゃないだろうか?
そう言ったら、この世界の神子は、どんな顔をするだろうか。

顔も知らない人々、彼らの住む町が、どんな名前かもしらない。
世界は、いつのまにか手のひらはおろか、両腕からもこぼれ落ちるほど大きくなってしまった。

けれど、幼なじみも、故郷の人たちも、広がった世界の中で今も同じように大きく、きらきらとそこにいる。
何も変わらない。
世界は大きくなったけれど、何一つ変わっていない。
だからきっと、新しく知った世界に住む人たちだって、いつかきっと、この心の中に、顔も知らない、町の名も知らないままで大きくしっかりと在り続ける。
自分が知らなかっただけで。

だから、絶対に、この世界は在り続けなければならない。

そのための、この両腕が、どこまでも伸びていきますようにと祈ったら。
繁栄世界の神子は、じゃあオレ様がダメ押しで祈ってやるよ、と笑った。
すごく効きそうで、嬉しくて笑った。

拍手[6回]

PR

× CLOSE

カレンダー

05 2026/06 07
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

アクセス解析

× CLOSE

Copyright © あらゆる鳥のしらべ : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]