ひゃあ、寒い寒い
龍麻が、少し先、ホームへの階段を上っていく。
終電間際はかえって人影が絶えない。
制服の裾が、泥はねを受けて濡れていた。
いつもの、少しくたびれたスニーカーのかかと。
一段飛ばしのせいで伸びきった足首を見つめ、口をついて出たことばは、予想外だった。
龍麻、僕はすべきことがある身だ。
手すりに片手をおいた龍麻は、半ば体をひねり、如月を見下ろし、止まった。
また、ホームから人が降りてくる。
その流れに飲まれないよう、わずかに壁際に寄った龍麻を、まっすぐ見上げて、如月は言った。
そのすべきことが、君のそばで、君と共に闘うことであるのを、本当に…
うれしい? 幸せだ?
如月の唇が止まる。
龍麻の顔を見つめ、その向こう、ぽかりと空いたホームへの出口の先にある、人工の光で白っぽく輝く月を見た。
龍麻の頭にかぶさるような三日月を見つめて、如月は言った。
どうやら、僕は、君が好きなようだ。
※またしても亀。亀強化か。※